轍(わだち)

これまでの足跡や日々の感じたことを紹介していきます

駅のホームでK子さんと別れのあいさつ?

【前回の記事はこちら>>>K子さんへの辛い報告が待っていた!

結局、K子さんと同じ町の予備校に行くことになりましたが、これからのことを含め、一度会って話をするつもりで何度か電話をしたのですが、K子さんも引っ越しで忙しくて、中々会う機会がありませんでした。

そうこうしているうちに、私は、一足早く故郷を離れていくことになりました。一応、K子さんには電車の出発時間を教えていましたが、行けるかどうか分からないとの返事。結局、私の下宿先の住所や電話番号なども伝えられませんでした。

 

そして出発の日、早めに駅へ着くと、K子さんと同じ短大に進学するO子さんが駅で待ってくれていました。しばらくO子さんと、お別れパーティーのお礼やら、これからのお互いの健闘を称えたりしていましたが、帰りのバスが来てしまいました。

そのためO子さんには、「K子さんに会えないかもしれないので、渡してほしい。」と、私の連絡先を書いたメモを渡して別れました。

 

ほどなく、電車がやってきました。私は、K子さんとの別れはあきらめ、電車へと乗り込みまして、改札口が見える席へ座りました。

結局、会えなかったなあと残念に思いながら、ぼんやり、外を眺めていると、改札口の横から、体を乗り出してホームに停まった電車を見て誰かを探している女性を見つけました。

私は、「あっ!K子さんだ」と思うと同時に、席を立って電車から飛び出して行きました。

 

会えないものとあきらめていた私は、何を話せばいいのか言葉が見つからず、ただ、来てくれてありがとうとお礼を言いました。K子さんは、今にも泣きだしそうな目で見つめてくるものですから、私も思わずもらい泣きしそうになりましたが、出発の時間が迫っています。

私は、O子さんに連絡先を渡していることを伝え、落ち着いたら電話をしてもらう約束をして急いで電車に飛び乗りました。

ほどなく、電車は次の駅へ向かって出発しました。私は、見送るK子さんの悲しそうな、それでも、笑顔で手を振る姿を目に焼き付け、ふるさとの町を後にするのでした。

駅のホームでお別れ

【次回はこちら>>>K子さんと再会を果たすも歯車が狂いだす