新採職員で勤務した職場にはデスクトップ型のパソコンが1台だけありました。
このパソコンは統計処理用に導入しているものでしたので、日々の書類作成はすべて手書きでした。
それも、ボールペンではなく、万年筆でもなく、インクをペン先に付けて書くペン、いわゆる「つけペン」を使用していました。
当然、書き直しができないものですから、鉛筆で下書き原稿を作ったうえで、直接、専用の用紙に書き込んでいました。
なので、就職前に練習したペン字練習が大いに役に立ちました。
そのような原始的な事務処理をしていた時代でしたが、なんと、1年目の冬にワープロが1台導入されることになりました。
当然白黒なんですが、当時の私は、大学時代にタイプライターを中指だけで打ちながら文字を書いていた程度でしたので、この文明の利器をなんとかものにしようと、キーボードで文字を打つ練習をしてワープロ打ちをしていました。
ちょうど私の周りには年配の人が多かったものですから、他にワープロを使う人もいなかったこともあり、ほぼ、私専用のワープロと化していました。
その結果、キーボードを打つスピードが格段に速くなり、2年目からの資料作成は、ほぼワープロで作成するようになりました。
今でこそ、1人に1台のパソコンが支給され、手書きで書類を作成することがなくなりましたが、当時は、手書きが全盛時代でした。
その後、職場にも徐々にワープロが導入されるようになってきましたので、私の場合、一足先に覚えることができてラッキーでした。