【前回の記事はこちら>>>部活開始前の超ロングシュートの練習成果?】
前回よりも少しだけ時間を遡ります。
3年生になった7月、いよいよ最後の夏の地区大会が始まりました。
他の学校のチームは、「打倒T中(私の学校)!」を目指して苦しい練習をしてきたようでして、初戦から苦戦を強いられ、手に汗握る展開となりましたが、我がチームは何とか決勝まで駒を進めることができました。
そして、いよいよ決勝戦。観客も、だんだんと増えていき、コートの2階席は、各学校の生徒であふれかえっていました。
試合は、我々の予想では、先手必勝で逃げ切る展開を考えていましたが、敵も戦術を変えて、私たちが苦手なマンツーマンディフェンスを仕掛けてきたものですから、中々、点を取るのが難しく、シーソーゲームの展開となりました。
それでも、前半終了時点では、10点近くリードしていましたが、後半になると、私たちも相手チームの慣れないディフェンスのせいで体力が消耗してきた結果、だんだんと点差を詰め寄られてきまして、焦りが出てきました。
私はというと、ファウルを4つ犯していたことから、あと一つで退場になるところまで来ていました。
まあ、練習試合でも同じようなことがありましたので、特に気にもせず、冷静に試合を続けていましたが、やはり、疲れが出てきたのか、残り5分になった頃、いつものように速攻を仕掛けて難なくシュートを放ったのですが、慎重すぎてボールはリングに当たって跳ね返ってしまいました。
ちょうど相手選手がボールを捕った瞬間、私は焦ってしまい、ボールを奪い返そうとして、覆いかぶさったまま、一緒に倒れていまいました。
無情というか当然というか、審判のホイッスルが鳴り、私は、初めての退場処分を食らってしまいました。
観客も、ポイントゲッターとなっていた私の退場に、落胆の声と歓声が沸き起こりました。
私は、生涯で初めて退場処分を受けたことで、一瞬、目の前が真っ白になってしまった感覚を覚え、トボトボと控え席へと帰っていきました。
結局、試合は、僅差で私のチームが勝って地区優勝を果たすことができましたが、しばらくの間、「退場」という二文字が私の目の前をちらついて離れませんでした。