そんなこんなで、練習にも身が入らなくなってしまいましたが、それでも舞台の上で細々と体操ごっこ(?)を続けていました。
そんなある日、部室で部活の準備をしていると、野球部の顧問の先生がやってきました。
なんの用事かと思っていると、いきなり、「今からこの部屋は野球部が使うことになったので、君たちは荷物をまとめて出て行きなさい!」と、のたまうではありませんか。
そうなんです。野球部では、新たにバッティングマシンを購入したものの、その保管場所がないことに気がつき、我が体操部に白羽の矢が刺さり、部室を取り上げられてしまったのです。
とうとう我ら体操部は、バッティングマシン以下の部になってしまいました。
結構、衝撃的な通告だったものですから、悔しいやら、情けないやら、みんな無言で荷物をまとめて出ていくのでありました。
結局、新しい部室もないものですから、舞台の袖の倉庫で着替えをするようになったのですが、モチベーションがダダ下がりになり、夏休みには誰も練習に来なくなって、自然消滅的に廃部となるのでした。