そんな感じの職場でしたが、ある日のこと、先輩が運転する車がスピード違反で捕まる事件が起こりました。
その先輩は、前に紹介したセクハラおやじのK先輩でして、車の運転では結構スピードを出して走行する方でした。
その日はK先輩の車に私も同乗して、快調に飛ばして現場から職場に向かって帰っていました。
ちょうど片側一車線の300mほどの直線道路に差し掛かった時です。
前には車が1台もなく見通しが良かったものですから、いつも以上にスピードを上げて軽快に走行していると、前方におまわりさんが現れまして、車を停車するよう、誘導されるではないですか。
そうなんです。
ちょうど、ネズミ捕りをしていたところだったのです。
運悪くK先輩が運転する車が50km制限の道路を猛スピードで走っていくものですから、あえなく御用となってしまいました。
結局、20kmオーバーで切符を切られた先輩は、失意の中、事務所へと帰っていくのでした。
私も、なんと声をかけていいのか分からず、助手席に無言で座って気まずいまま、事務所へ戻っていくのでした。
事務所に帰って来ると、さすがに黙っているわけにはいかず、K先輩は上司に報告をして、叱られていました.
ただ、使用車だったこともあり、それ以上の報告はなかったように思います。
いいのか悪いのか分かりませんが、人身事故などでない限りは、交通違反も大目に見てもらっていた時代でした。