バイクが盗まれた~!
私が住んでいた下宿先は、町の郊外でしたので、夜になると人通りも少なく、ひっそりとしていました。
その日も、いつものように夜遅く研究員室から帰ってきて、アパートの1階の駐輪場にバイクを置いて部屋に帰りました。
そして、翌朝、大学に行こうと駐輪場へ降りていきますと、いつもの場所に置いていた私のバイクがなくなっていることに気が付きました。
バイクにはロック機能がついていたのですが、私は、キーこそ外すのですがロックをかけずにいたものですから、盗難にあったようでした。
さっそく警察に盗難届を提出しまして、その日は、自転車に乗って大学へと向かうのでした。
盗まれたバイクが悲惨な姿で見つかる!
数日後、大学の研究員室に警察から電話がかかってきました。
盗難されたバイクが見つかったとのこと。
私は電話を持っていなく、アパートに大家さんもいないものですから、連絡先を大学の研究員室にしていました。
さっそく友達のN君(4年生時は400ccのバイクに乗っていました)にお願いして、警察まで送ってもらうことになりました。
ほどなく、警察署について、バイクと数日ぶりの再会を果たしたのですが、そこには、カウルとマフラーがない、変わり果てたバイクが寂しく置かれているのでした。
さっそくキーを指して回すと、一応エンジンはかかったのですが、マフラーがないものですから、私のバイクは爆音を上げていました。
このままでは乗れないので、バイク屋さん(このバイクを買ったお店)に電話をして修理を依頼しました。
バイク屋さんまでは警察署から5kmほど離れているものですから、さすがに押していくわけにもいきません。
そこで、おまわりさんにバイク屋さんまで乗って行って構わないか聞いてみると、快くOKが出ましたので、私のバイクは、N君の後ろを爆音をあげながらバイク屋さんまでの道のりを走って行くのでした。
白バイに捕まり逮捕される?
時間にすると10分ほどの道のりなのですが、爆音をあげているものですから、通りすがりの人や車の運転手から変な目で見られながら走行していました。
私は、暴走族の気分に浸りながら、それでも申し訳なさそうに走っていました。
そして、ある右カーブに差し掛かった時のことです。
前方から白バイがやってきてすれ違いざま、しっかりと目が合ってしまいました。
「あっ!まずいなあ!」と思って走っていると、案の定、白バイが引き返してきて私は停止を求められてしまいました。
私が停止すると、白バイのおまわりさんは、呆れたような、困ったような顔をしながら近づいてきまして、「免許証!」と半分怒鳴りながら手を差し出します。
私は、免許証を取り出しながら、盗難にあったこと、警察署のおまわりさんにバイク屋さんまで乗って行っても構わないとの返事をもらっていることを告げます。
すると、何やら無線で確認をしている模様。
ほどなく、免許証を返してもらい、「気を付けて行きなさい」との言葉を残し、白バイは去っていくのでした。
私とN君は、ホッとして再びバイクにまたがり、再び爆音をあげながらバイク屋さんへと向かうのでした。
結局、マフラーだけ付けてもらうことにして、数日後には、無事、我が家にバイクが戻ってきました。
でも、犯人はいまだにつかまっていません(というか、もう時効でしょう。。。)