轍(わだち)

これまでの足跡や日々の感じたことを紹介していきます

消しゴムで2度目の恋に落ちる

中学1年生の時、私の前に座っていたR子さんに恋をしてしまいました。

R子さんは、切りっとした整った顔立ちで、かわいいというより美人タイプの女の子でした。小学校も同じでしたが、6年間ずっと違うクラスだったものですから、この時初めて同じクラスになりました。

 

当時、私はいたずら好きで、よく先生からお叱りを受けて教室の前で正座をさせられることがありました。今だと体罰で問題になるかもしれませんが、当時は普通でした。

 

その日も数人で悪さをしたため、前に座らされていました。

すると、R子さんのイスの下に消しゴムが落ちているのを見つけたものですから、ふと上を向いてR子さんを見ると、こっちをチラ!チラ!っと見ているような気がして、何度か目が合うものですから、どうかしたのかなと、不思議に思っていました。

 

そして、ほどなく正座から解放されて自分の席に着いた時、消しゴムが落ちていることを思い出したので、さっそく拾ってみました。誰のだろうかと思っても何も書いてないものですから、何気なく消しゴムを覆っている紙のカバーを外しました。

 

すると、なんということでしょう。

消しゴムの真ん中に「I Love You」と書かれていて、その右下には「R子」と名前が書いているではないですか。

 

でもその時は、単純に「R子さんの消しゴムだ」と思っただけで、すぐさま指で後ろから背中をつついて、消しゴムを差し出し、返しただけで終わってしまいました。

が、後で考えると、これって、ひょっとして告白ではないのかと勝手に思うようになってしまい、それからというもの、R子さんが気になって仕方がなくなり、あっという間に好きになってしまいました。

 

ただし、当時は告白する勇気もなく、席もこの時以外は離れ離れとなり、あっという間に1年生が終わり、クラス替えによって二人は違うクラスになってしまうのでした。